カネのかかる女

ゼイタクしてるわけではない のです。「乳がん」という、金食い虫を背負い込んでおるのです。

私は「ウィークリー・タキソール」、週1回の投与を12週行うというコースをやりました。

副作用の出方は、人によって千差万別、ほとんど出ない人もいれば、入院が必要となるほど重い人もいます。

自分には果たしてどんな副作用が出るのか、やってみるまでわかりません。

せめて、「どういう可能性があるのか」だけでも知りたくて、たくさんの方のブログを拝見しました。

とりあえず「脱毛」と「手足症候群」は鉄板な模様・・・。

「脱毛」については、20年前に坊主頭にしていたこともあるし、ウィッグや帽子は普段から愛用しているし、まあどうということはない。

問題は「手足症候群」かな・・・まあ、それもきっと、どうってことなかろう・・・などと自分に言い聞かせつつ、いざ、抗がん剤GO。

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投与1回目。

日本ではあまり一般的ではないようですが、ここイギリスでは、「コールド・キャップ」といって、ギンギンに冷えるヘルメットが用意されています。

どうやら、冷やすと「脱毛」をある程度防げるらしいのです。

せっかくなので、一応試してみました。

しかし!!

気分は『AKIRA』の鉄男・・・。

凄まじい頭痛に襲われて、叫び出しそうになりました。

平然と付けてる人もいるのが不思議・・・私はあえなく途中でギブアップ。

ちなみに、日本にはイギリスにはない、手足を冷やす機械があるようですね。

「手足症候群」を防ぐわけでしょうが、これもきっと私ならギブかな・・・。



この日は夜、わりと激しく下痢しましたが、他は異常なし。

翌日と翌々日の日中も問題ありませんでした。

ところが、投与翌々日の夕方から、体のあちこちが痛み始めたのです。

熱の出始めに体の節々が痛くなる、あの感じ。

案の定、投与から3日目、熱が出てきました、37度ちょい。

再び激しく下痢もして、かなりキツいと感じる体調になってきました。

熱は上がったり下がったりで37度前後。

とにかく体が痛い。

なんとか対処法はないものかと検索したところ、「L-グルタミン」というものがヒット。

ウェイト・トレーニングの際に、筋肉痛を緩和するためのサプリとして、広く知られているもののようです。

パクリタクセル/タキソールの筋肉痛/関節痛に有効、という記載を見つけました(※記事はこちら)。

早速アマゾンでデカ・ボトル入りをゲットしてみたところ、なんとこれが結構効く!

私は、痛みが来てるな、と思ったら、大さじ2杯分飲んでました。

私の場合、完全に痛みが消えるわけではないのですが、かなりラクにはなりました。

ちょっとした味方を得て、少し安心した私です。

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投与2回目、3回目。

体調のほぼパターンは確定。

投与当日と翌日:下痢のみ。

2日目夕方〜4日目:微熱が出たり出なかったり、筋肉痛と関節痛がある。

5日目〜6日目:筋肉痛と関節痛が少し収まる。

毛髪は変化なし。

しかし、両手首の内側(特に右)と右胸(患側)に、ある朝突然、刺すようなかゆみが襲ってきました。

気が狂いそうなかゆさで、かきむしらずにはおれないのですが、かゆみは皮膚の表面ではなく、皮膚のちょっと下、皮の内側がかゆい感じで、かきむしったところでかゆさは収まらないのです。

この発作のようなかゆみ、しばらくすると収まるのですが、かなり恐怖を感じるほど強烈でした。

医師に相談すると、あまりそういう「かゆみ発作」的な副作用は聞いたことがない、とのこと。

とはいえ、1週休んでよし、ということになり、4週目は一旦休薬となりました。

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投与再開、4回目〜6回目。

一旦休んで気持ちの整理がついたせいか?体の痛みの辛さが和らいだような。

「かゆみ発作」の再発もなし。

この3週間は比較的ラクでした。

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投与7回目。

体調の基本パターンは同じ。

ですが、ついに頭髪に異変が。

微妙に抜け毛が多いような・・・と思ったら、急激に変化が訪れました。

まず、襟足と耳の上、要するに天辺と後頭部を除く下の方が、猛烈に抜け始めました。

どうせなら一気にゴソッと行ってほしいものですが、そうはならず、ブラシや手で梳くと大量に抜ける、という抜け方。

気になってしょうがないので、背中まであった髪を、自分でオカッパに切ってみました。

ところが翌日になると、後頭部も激しく抜け始める始末。

やむなくツーブロックのパイナップルみたいな頭にして、下半分は剃り上げました。

さらに翌日になると、いよいよ天辺も抜け始め、えーいままよ!と、完全坊主に剃り上げてしまいました。

坊主頭にした後も、ちょびちょび残っている毛は一応伸び続けている様子。

見苦しいので再度頭を剃りました。

なんとこれがまずかったのですね。

その日の夜、襟足のあたりに赤いブツブツが生じているではありませんか。

カミソリ負けでしょうか。

とりあえずクリームで保湿して様子見。

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投与8回目。

この週は最悪な展開に。

なんとブツブツはどんどん広がって、頭全体がやられてしまいました。

かゆいし痛いし醜いしで、かなり悲惨。

かゆいのイヤーと言ってタイケルブ避けたはずが・・・トホホです。

しかも、さらなる追い打ちが。

風邪を引いてしまったのです。

熱が38度まで上がり、さすがにこれはまずいかも?と、日曜日に病院に駆け込みました。

血液検査の結果、とりあえず免疫反応は正常で、白血球数にも問題ない、とのことで帰宅。

ところが翌日さらに熱が上がり、38度5分に。

なんとか持ち直しましたが、体中痛くて参りました。

さすがにこうなるとL-グルタミンでは効かなくて、沈痛解熱剤のお世話になりました。

こういうとき、日本だとすぐに「ロキソニン」を処方してくれるのですが、なんとイギリスには「ロキソニン」がない(販売されてない)。

もらえるのは「ノーシン」と同じ成分の「パラセタモル」のみ。

まあ、この時はそれでも効いたので、いいんですが。

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投与9回目。

医師に頭の蕁麻疹/湿疹のことを訴えると、「それはカミソリ負けじゃなくて、薬に対するアレルギー反応だと思う。ステロイド剤投与を追加しましょう」とのこと。

早速ステロイド剤を打ってもらったところ、なんと劇的に改善!!

さらにステロイドのクリームも処方してもらって、これも塗り塗り・・・。

ブツブツした腫れは、ほとんど引きました。

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投与10回目、11回目。

風邪がなかなか治らず、ひどい咳がやまない。

体の痛みも結構キツくて、気持ちが落ちてきました。

頭の蕁麻疹/湿疹は、ステロイド投与から4日目ぐらいまではよく効いているものの、5日目からぶり返してくるようになりました。

そして、手の指先にしびれが発生。

最初は左手の親指に起こり、徐々にすべての指の指先がしびれるように。

足の裏もうっすらとしびれてきました。

ついに来たか、手足症候群。

しかし、あと少しの辛抱だから、我慢するか・・・。

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投与12回目、のはずだった日。

この前週に、CTスキャンを受けていました。

その結果は、「変化なし」。

残念ながら、目立った変化はなかったのです。

-----「変化なし」というのは、「進行を止めた」とも言えるのでは??

いいえ、パクリタキセル/タキソールを始めてすぐ行ったCTの結果と比べて変化がなかったので、「効果なし」と私は判断します。

なぜなら、そもそもパクリ開始のころのCTの結果が、昨年12月のCTの結果からも「変化なし」だったので。

パクリ投与の期間中「変化なし」だったのは、薬のおかげではなかったと私は思います。

というわけで、12回目の投与はキャンセルし、私の初の抗がん剤治療は、あえなく失敗に終わったのでした。